会社概要

社名     SPヘルスケアコーポレーション株式会社
       (SP Healthcare Corporation Co.,Ltd)

本社所在地  〒270-1335 千葉県印西市原3-3-2-101

代表者    代表取締役社長 鈴木 滿

沿革     2012(平成24)年12月12日
        株式会社ヘルスケアファシリティーマネジメントとして設立
       2014(平成26)年5月8日
        SPヘルスケアコーポレーション株式会社へ社名変更
       2014(平成26)年6月6日
        事業開始 

資本金    1,000万円

事業内容   ① 病院経営支援を中心とした医療コンサルティング事業
       ② 介護施設運営支援を中心としたコンサルティング事業
       ③ 学会・研究会・法人事務局支援事業
       ④ 教育研修事業
       ⑤ 新製品開発支援事業

取引銀行   三菱東京UFJ銀行  京葉銀行

 

 ■■拠点■■

【本社】    〒270-1335 千葉県印西市原3-3-2-101

【神戸支社】  〒658-0047 兵庫県神戸市東灘区御影1-15-19-403 

 

 

 

★会社設立に至る経緯

私は、今から15年前に、父を胃がんで亡くし、また今年の1月には、兄を肺がんで亡くしました。

 

父が亡くなった頃の私は、全国規模の病院グループの事務を統括する責任者として、慌ただしく各地を飛び回る生活を送っていました。私が、残り少ない人生を生きる父に出来たことは、自分の勤めるグループの中でも特に大きく、最新の医療設備が整った病院へ入院させることでした。


当時のことを振り返ってみますと、私は、「普通の家族が出来ないことを、父にしてやれた」というひそかな自負を持っていたことを思い出します。そして、病床にある父を見舞うことはほとんどなく、相変わらず仕事に没頭する日々でしたが、それでいいのだ、と考えていました。

 

父を見送り、しばらく年月がたって、今度は母が心臓病で倒れる、ということが起こりました。一度、地元の大学病院に救急車で運ばれて手術を受けたのですが、うまくいかず、主治医の先生からは再手術が必要だと言われました。母は「あんなことは二度とごめんだ」と言い、これは困ったことになったと思って、私は当時自分が勤務していた病院の循環器内科の先生に相談をしました。
CTの血管造影写真をお見せしたところ、その先生に「これなら手術をしなくてもカテーテル治療で治せる」と診断していただき、母はその勧めに従って治療を受けて、元気を取り戻すことが出来ました。

 

自分の両親に関わるこれらの体験を通じて、私は、「自分はたまたま医療界に身を置いていたため、自分の家族に、望み得る治療を受けさせることができた。しかし、そうした機会を得られない人の方が、この社会にはずっと多いのだ」という事実に直面しました。

 

一方で、もともと私は子供のころから「いつか自分の会社を持つ社長になりたい」という夢を長く抱いていました。
その夢に、両親に関する経験が加わり、「誰もが公平な医療を受けられる社会を実現しなければならない。そのための会社を興すのだ」という決意をもって、ちょうど50歳の時、お世話になった病院グループを退職して独立・起業しました。

 

5年間、経営者としてのあり方を一から学び、無我夢中で働いてきました。多くの方とのご縁もでき、やっと会社の経営が軌道に乗ったと思ったとき、今度は自分の部下が、進行した膵癌に侵されていることを告げられました。


私は社長として、大切なこの社員に何をしてあげられるのだろうと考えたとき、記憶に強くよみがえってきたのは、冒頭に書いた父のことでした。

 

私は当時、父に対しては自分の出来る一番良いことをしてあげた、と思っていましたし、無事に入院させた後は再び忙しい職場に戻って仕事に打ち込むことで、言ってみれば「格好いい息子の生きざま」を見せているようにも感じていました。

 

しかし、それから15年たって、いよいよ会社がこれからだ、というときに大事な仲間が闘病生活を余儀なくされるという事態になり、「私もこの部下と一緒に病と闘う」と決意したときに、父に対してはそうでなかった、ということに気付いたのです。


隠さずに本音を言えば、私は、父が余命いくばくもない、という現実が怖かったのだと思います。父にとって何が最善であったのか、正解はないのかも知れませんが、私は自分の父親の最期を病院に委ねるだけで、本当に「してあげられたら良かったこと」をせずに終わってしまったのではないか。

もう長くはないことがわかったのだから、釣りが好きだった父と、私が子供のころそうしてもらったように、父を釣りに連れて行ってやればよかった。

あるいは温泉にでも一緒に行き、ゆっくりといろいろなことを語り合えばよかった。


仕事が多忙を極めていたのは事実ですが、それを理由にして、父親の人生の終末期にしっかりと向き合わなかった自分の姿を、あらためて悟ったように感じたのです。

 

病床にある人にとっては何が一番大切なのかを考えているか?

 

この非常に重い命題を、父、母、社員と、自分の大事な存在が病気になったことによって、私は天から突き付けられたように思います。

そしてまた、このタイミングで、5年間、ファンドの支援を得て経営してきた会社から2度目の独立をし、新しくSPヘルスケアコーポレーションを立ち上げることになりました。


これら一連のことには、私の計らいを超えた、何か大きな力が働いているようにすら感じます。

病院グループで全国の病院を飛び回った経験、独立して、経営者として学んだこと、そしてこれらの過程で直面してきた身近な人たちの病気。こうしたことが全て、この新会社の出発に結びついて来ました。

 

最初に独立して自分の会社を興した時にも、自分とつながる方々や組織・企業の成功を支援(実現)することを、事業の重要な目的として掲げていました。ただ、そのために、まずは自分の会社の成功を第一に実現しなければならない、という思いが非常に強く、振り返ってみますと、結局そのことにだけ心をとらわれていたのではないか?という気がします。


今回、SPHCを立ち上げる中で、ここに書いてきましたように、私はもう一度自分自身の心の中や人間としてのこれまでの在り方を、以前にはなかったほど深く見つめ直す機会を得ました。


そして、会社の成功というものは、決して一社にとってのものだけではなく、また、自分の成功があってその次に他者の成功があるというものでもなく、私たちに関わってくださり、私たちとつながっているあらゆる方々、あらゆる組織・会社の成功が、すなわち私たち自身の成功に他ならないのだ、ということを、実感として抱くようになりました。
こうした思いは、今から5年前の一度目の独立の時には持てなかったものです。

 

両親のもとに生まれ、父親との別れを経験したこと。肉親や、部下の病気に直面したこと。病院グループの事務責任者として、全国、北は北海道から南は九州・沖縄までの病院をめぐり、さまざまな経験をさせていただいたこと。独立して経営者となり、事業の目的や経済的基盤の確立、自分自身のあり方を必死になって追い求めてきたこと。


これらのすべてのことによって、私は今回2度目の独立を自分で計らったというよりも、何かの力によってここへ導かれてきた、宿命とでもいうべきものがここにあった、というように感じています。

人生の折り返し点を過ぎ、己の使命を全うする最後のチャンスを与えられた、という思いでもあります。

 

冒頭に書いたように、肉親をがんで亡くし、また、当社設立にあたって非常に大切な働きをしてくれた部下もまた、がんによって命を落としました。これら一連の経験により、「公平な医療の実現」という自分自身の使命を深く自覚することになりました。


志ある多くの方々と思いを共有し、日本の医療の力によって世界に平和をもたらす、そのために全力を尽くす会社でありたい。これがスタートに際しての私の決意です。

 

どうぞよろしくお願い致します。 

                     2016年4月1日
SPヘルスケアコーポレーション株式会社
代表取締役社長  鈴木 滿